『墨美神®︎』の支持体について~麻紙と正絹

樋口鳳香の描く『墨美神®︎』

華やかな着物を使った創作掛軸『墨美神®︎きもの掛軸』の支持体は

ほとんどの場合、正絹きもの地を使っています。



紙に描く場合は麻紙。

麻紙は、繊維が長く粗く、薄墨がランダムによく滲んでいく和紙です。

墨美神®︎の異空間的な空気感を表現するのによく使います

水墨画の醍醐味といえば、やはり墨の滲み、ダイナミズムです。

最初に入れた墨は、どんなに上から塗り重ねても最後まで残るため、

水墨画は、濃淡を筆の中に作って、濡れているうちに一気に面で描き上げていきます。

あとは支持体の繊維の広がりに任せて、水を含んだ墨が滲んでいくままです。



水墨画は他の絵画表現のように白を塗り重ねることがないため、

一度入れた墨は消すことができません。

けれど経験を積むことで、墨の滲みをある程度計算することができるようになります。



紙の種類によっては水あとも残るため、

伊藤若冲の筋目描きのように、それを生かした表現もあります。

具対的に言うと、龍の鱗の表現や花弁の重なりなどです。



下塗りをしない、余白を生かす水墨画にとって

支持体である和紙は作品の仕上がりを左右する大切なものですが、

近年はいろんな事情が重なって、

良い和紙が入手しにくくなっています。

そんな事情も相まって、絹に表現することも並行して始めました。

墨美神の場合、絹と言っても絵絹でなく、着物地に描くので事情はかなり変わりますが

それでも絹は和紙に比較すると、意にそう『スナオ』な支持体です。

和紙と違って「想像しない方向に墨が滲む」ということはそんなにはありません。

なめらかな素直な滲みが表現できます。


個展『樋口鳳香・墨美神®︎展』では、

ぜひ支持体によって変化する墨の滲みの違いなども

お楽しみいただけたらと思います。



画廊初めての方もぜひどうぞ。

作家、樋口鳳香は終日在廊いたします。

お気軽にお声かけくださいね。





個展【樋口鳳香・墨美神®︎展~春の果て】

会場:銀座画廊 美の起原

会期:4/15(月)~4/20(土)

12:00~18:30(最終日16:00閉場)



Solo exhibition [Hoca Higuchi SUMIBISHIN®︎]

April 15th (Monday) - April 20th (Saturday)

12:00 - 18:30 (until 16:00 on the last day)

Venue: Ginza Gallery The Origin of Art (8-4-2 Ginza, Chuo-ku)





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墨美神のことだま

Japanese ink painter 大臣賞受賞 水墨画家 樋口鳳香の描く"墨美神®︎(登録商標)”は かつてない水墨による美人画の表現 墨のにじみという偶さかに悠久の美を見つめ、 かぐわしき美神たちを表現します 着物を着付けるように表装する 創作掛軸『墨美神®︎きもの掛軸』『墨美神®︎着物カルトナージュ額装』など展開 live painting、展覧会情報をお伝えします

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