【水墨画の基本~先濃後淡による表現】
個展『樋口鳳香・墨美神展』までひと月を切りました。
制作にも追い込みをかけている段階ですが、
今になって改めて根岸嘉一朗先生の本を読んだりしています。
今回の個展は根岸先生率いる『現代水墨画協会』
水墨画秀作展の『全国水墨画美術協会』
鈴木昇岳先生の『墨映会』
と、3つの団体の後援をいただいて、大きな期待を背負っています。
そのため、ひとりでも多くの方に水墨画の魅力をお伝えすることも一つの使命と感じて
先生方の言葉を自分の中にインプットしておきたい気持ちと、
己の技術の確認作業でもあるのかもしれません。
水墨画の技術の基本中の基本になりますが
「先生方の墨色が美しい」と私がよく表現する
その理由をわかりやすい文章にしてあったので、ここに抜粋します。
「美しい墨色を生み出す第一のコツは”先濃後淡”です。
これは濃いところから筆を入れ薄い墨を重ねていく方法です。
これに対して、最初は淡く、徐々に墨を重ねながら濃くする”先淡後濃”の方法は、
失敗は少ないので多く採られている方法ですが、墨の粒子が積み重なると
発色が鈍くなるという欠点があります。
つまり”墨の美”とは先濃後淡の原則からできるだけ重ね描きを少なくして描いていくことです。
そして調墨の三要素(墨の含ませ方、作画の手順、リズムで運筆)を踏まえつつ、
物の外観にあまりこだわらず、墨色と筆勢を大切にして思い切ってリズミカルに描くことにつきるのです」
(根岸嘉一朗『墨の美に学ぶ水墨画』より)
【樋口鳳香・墨美神(スミビシン)展】
会期:5月19日(土)~25日(金)
12:30~19:00(25日は16:00迄)23日(水)は休み
会場:銀座かわうそ画廊
後援:現代水墨画協会(現水展)
全国水墨画美術協会(全日本水墨画秀作展)
墨映会(現代水墨画・墨映展)
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