【10/14まで『現水展』@東京都美術館・感想も書いてみました】
10/14まで東京都美術館にて
現代水墨画協会主催の水墨画の公募展『現水展』開催中です
近年は異常気象による災害、コロナ禍、ウクライナ侵攻と、不安要素がまん延して、
『祈りの墨美神』ばかり描いている気がします。
1日も早く穏やかな日常が戻って来ますように。
いつの日も女性が活躍して輝く世の中でありますように。
ここ数年はずっとそんな願いを込めて創作しています。
「どんな時でも自分が美しいと思うものを好むし、そういうものを描いていたい」
と言ったのは鏑木清方(歌川派の系譜)でした。
私も辛い悲しい絵は描きたくないし、
ご覧くださる方々がどんな日常の中にあっても、
その瞬間、ぱっと心に花が開くように、
作品は、心をぬくめる灯であって欲しいと常々思っています。
芸術。絵画も、音楽も、文章も、
時空を超えて、ここではないどこかに連れて行ってくれるツール。
ご覧いただけるその刹那、ひとときの心の旅を愉しんでいただけたら幸いです。
さて、今年の現水展のわたし個人の感想です。
今年は戦争をモチーフに描かれた作品が多く見られました。
その時代を象徴する作品を残すのは作家の使命のひとつではありますが、
そのモチーフの選び方がたいへん安易であることに懸念を抱き
ざわざわした気持ちが拭えないまま会場を後にしました。
当事者でない限り、絵画という選ばれた人が持つ特殊な能力と技術でもって、
戦場写真を絵画に置き換えるような表現は、私は好みません。
それは時に暴力にも値すると考えています。
実際に戦場から避難してきた人がそれを見た時の心の痛みは、
今は平和なこの国に暮らす私たちには想像を超えたものがあると思うからです。
「どうしてこれを敢えて描いたのか」
「あなたは戦争の何を知っているのか」
と当事者たちに訊かれたら、作家はなんと応えるのでしょうか?
時代の責務でなく、作家自ら戦争をモチーフにした作品は世界に多くあります。
ピカソのゲルニカは世界的に有名です。
国内では岡本太郎の核をモチーフにした作品
画家の丸木位里・丸木俊夫妻が被爆者に取材し生涯をかけて描いた原爆の図など
いずれも咀嚼された上で表現されたもので
それらに学ぶことはたくさんあります。
芸術には表現の自由があり、その自由は尊重します。
ですからこれがダメだということはできませんが、
私は絵描きは、その腕にものを言わせる表現だけでなく、
人の心を震わせたいなら、自分の中で昇華して
鑑賞者の不安も受け止める覚悟と責任を持って表現した方が良いのではないかと思うのです。
さてと。
日頃は隠れている気難しい鳳香が登場してしまいましたが、
ともあれ、それぞれの芸術の秋を、存分に楽しんでいただけたらと思います✨
取り急ぎ本日の段階で決まっている樋口鳳香の在館スケジュールをご案内します。
・9日(日)午後13:00〜15:30頃
・11日(火)午前10:00〜お昼頃まで
多くの皆さまのお越しをお待ちしております
【第61回 現水展】
(入場無料)
会場:東京都美術館 2階第1·第2展示室
10/7(金) 10/14(金)・9:30~17:30
(最終日、入場14:30分迄・15:00閉展)
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